僕が仕事をしている愛知県とその周りでは色々な石を産出しています。
岐阜県では木曽石、美濃石、気良石、和良石
三重県では菰野石や青石、伊勢ゴロタなんてのもありますね
そして今日は愛知県の幡豆(はず)地域で産出される「幡豆石」のご紹介です。
この石は花崗岩で石の目も細かく硬いのが特徴です。
古くからお城の石垣や河川の護岸工事に使われていたそうです。
割って細かくして砕石としてぐり石としても使われています。
表面は山の中から割って出してくるので最初はうすい灰色でキリっとした印象
洋風の明るいお庭からしっとりとした和風の庭まで
産出する三河地方の庭師さんは色々なシーンで使っています。
段々と時間が経つにつれて、中の鉄分が酸化して表面に錆色が出てきます。
そうするとまた味わいが出てくる石です。
この幡豆石、実は砕石場で一つ一つ石を選んで自分でトラックに積んでいきます。
広い広い敷地に大きさごとに分けられた石が5m以上の高さで山になっているのです。
まさに「山」
石を選ぶときは上の方まで登って行って、良い石があれば下に転がし
ある程度選び終わったら下に転がした石をトラックに積み込む、
なんて作業の繰り返しです。
時々
「この石採ったら、ガラガラっと雪崩のようにくずれて・・・・・」
なんて想像してちょっと体がギュってなったり
でも、この石を選ぶ作業もなかなか楽しい。
砕石場は周りが山に囲まれていて、
場内は時々トラックや大きなペイ(石を積んでくれる機械です)が通る時以外は静か
全体の雰囲気としては仮面ノリダーのオープニングで爆発シーンで使われそうな場所
きっとこういう砕石場などの跡地でロケをしていたんだろうなぁ
なんて想像してみたり。
目的によって石を敷く場合、積む場合がありますが、
それによって選び方が違ってきます
石を敷く場合でも、人が歩くためのものでモルタルを使って敷き込む場合、
駐車場でクルマが乗っても良いような厚みが必要なとき、草目地にするときなどなど、
石を積むときには後ろにコンクリートを入れる場合と
後ろに砕石を入れて突き固める場合があり
それによっても選ぶべき石が変わってきます。
そのため自分の「目」も鍛えられる場所でもあります。
その日の体調や気分にによって
「今日は良い石がなかなか見つからない・・・」とか
持って帰ってきて使っていると
「ずいぶん良い石を選んできたな、オレ。才能ある?」
なんてうぬぼれちゃう時も。
一番困る時。
それは、たまに同業者が同じ目的で石を大量に選んで
持って行った後に行ってしまったとき。
石が・・・・
無い。
探しても探しても無い。
「ずいぶん良い石を選んでいきやがったな、才能あるヤツだな?」
っと、うらめしく石の山をながめる自分。
これ、実は同業者の間での「幡豆石あるある」なんです。