年の瀬も押し迫ってくると、
お正月までに綺麗にしたいというお客さんのお庭に
一軒でも多くお伺いしようと
庭師さんたちは大忙しです。
そんな寒い冬の一日
大きな松、一番上を手入れするときは
2回の部屋も見下ろすくらいの高さです。
独立してすぐの頃からお世話させてもらっているので
かれこれ10年くらいは付き合いのある松です
もちろん、僕よりだいぶ先輩の木ですね
ここのお家のお嫁さんが(僕の母と近い年の頃の方です)が
お嫁に来た時におばあさんの実家から引っ越してきた松らしく
それから40年近く、そのころにはもう背の高さは今くらいあったそうですので
古稀か、傘寿か、いやいや100歳ではきかない歳の松かもしれませんね。
まだまだ若造のひよっこの庭師は
朝からこの先輩に登りせっせとお手入れ
上から順番にくるくる回りながら、パチパチ、チョッキン。
「おっ!マツカレハ」
わかりますか?
わかりにくいですよね。
幹や枝によく似た色や模様の体なんです
コモ巻をして捉えられてしまう虫の代表選手です。
こもまき ←チェックしてくださいね。
やっぱり木の上に結構いるんですよね。
毛虫とたわむれ、写真を撮り。
また、木に登り
一日中、
・・・・時々歌を歌ったり
日がな一日、
・・・・時々、木の上で背伸びをしたり
朝から日が暮れるまで
一本の木の周りをグルグル、ぐるぐる。
・・・・・・・・。
でも、剪定し終われず・・・・・。
考えてみたら、つくづく
不思議な商売ですね。
この松にしてみたら
「人間て変な生き物だな・・・・、他にやることあるだろ。・・・・・ヒマか?」
って思ってるんじゃないでしょうか。
結局、毎年一日半以上はこの木にかかってしまいます。
でも、仕上がればやっぱり気持ちいい
やっぱり、なかなか素敵な良い仕事ですよ
うん、
そんな年の瀬の、庭師の一日。
手はカサカサ、松やにで真っ黒、葉っぱがささって真っ赤っか。
でも、やっぱり良い仕事。