COLUMN

2017/09/26

からすみ

からすみの写真

秋も少しずつ深まってきて、朝、玄関を出ると

キンモクセイの香りが。

 

いい季節ですね

 

そんな秋のとある日、お客さんから一本の電話

 

「今日仕事かね?どこにおるのー、ちょっと帰りによってくれる?」

 

なんでしょ、なんでしょ?

 

お伺いしてみると

 

「ええー頃でしょー、あんたに食べさせたろうと思ってよー」

 

からすみ 柿

 

 

そう、柿です。

 

 

ちょっと変わった可愛らしい形をした柿ですよね

これ「からすみ」という種類だそうです。

 

聞いたことありますか?

無いですよね。

 

愛知県で昔はよく栽培されていた品種のようです。

 

この「からすみ」そのお客さんのご実家に昔生えていて小さい頃からよく食べた

思い出の柿らしいのです。

 

実はこの柿の思い出は前々からこのお客さんに聞いていて

実家の柿の木もいつどうなるかわからないからぜひ我が家に植えたい

とおっしゃっていました。

 

そこで!挿し木に挑戦!!

 

 

 

 

・・・・したのですが。

 

 

 

うまくいかず。

 

そこで!柿の生産者さんに接ぎ木を依頼!!

 

 

 

 

・・・・・したのですが

 

 

 

 

「うまくいきませんでした。ほかの品種は失敗しないんですが」

 

などと言われ。

 

 

「すいません。お役に立てずに」とお詫びしたのですが。

 

 

次の年、

 

 

「これ見てみやー、できたでしょー」

 

お客さんが自ら挿し木に挑戦。見事成功。

 

ビックリです!

 

 

もともと器用でマメな方で、なんでもご自分でされるのですが

まさか。。。

 

っとそんな話がもう4、5年前。かな?

すくすく大きくなり、去年あたりからしっかり実も付き始め。

 

 

あっ、よく「桃栗三年柿八年」と言いますが、挿し木苗は実がつくのも早いんですね

 

 

「庭の草取りの人をお願いしてよー、その人に柿がなってますねって話されたら

あげんわけにはいかんでしょー。その前にあんたにも上げようと思ってよー」

 

優しい方なんです。いつもいつも。

 

パッチン、パッチンとハサミを入れていただき

「えっ、えっ?まだ青いんじゃない?もったいないですよー」

 

「ええて、ええて、あんたに食べてもらいたいでよー」

うれしいかぎりです。

 

 

その場で一番熟れたものを皮ごとぱくり。

 

 

 

さわやかでクセのない甘み。うまい。

 

 

これはお客さんが「あの味をもう一度」と思う訳がわかるな

 

 

その後毎年挿し木苗を増やし、庭の中には3本植わっています。

おまけに今年は

「あんたの家とよー、柿農家さんにもひとつずつ。これを増やして生産してもらえんか?」

 

と苗を2本頂きました。

 

 

農家の庭先には大体柿の木があって買うことが無かった時代には

こんな地場野菜ならぬ「地場柿」が全国に有ったんでしょうね。

今や柿は「買うもの」となり、柿農家さんは作りやすくて、名前が通っているものを作る。

「からすみ」もこの地域でも忘れられた品種になってしまったのでしょうか

 

ネットでポチポチ調べてみたら「京都府立大学」の農学部の農場で保存樹として育てられているようです。

「烏須美(からすみ)」-「原産地、愛知」とありました。

 

残したいものです。

 

もしご希望でしたら苗、お分けしていただけると思うので

ぜひお問い合わせください。

柿の接ぎ木苗

柿の接ぎ木苗

 

おっと!

 

柿の木とカエル

 

カワイ子ちゃん発見

 

 

柿 からすみ

 

おいしいよ。

青木作庭舎