COLUMN

2020/12/08

お庭を作る時に考えて欲しいこと

お庭を作る時に考えて欲しいことの写真

素敵なお庭を作りたい

そう考えてた時、どうしますか?

 

今回はそんなお話しです。

 

新築でお家を建てて、お庭も一緒に作りたいな、という時。

依頼する所はいくつか選択肢があります。

 

一番依頼しやすい所は家を建ててくれたハウスメーカーや工務店。

それから外構の仕事をしている会社、ガーデンデザイナー、地元の庭師さん。

 

それぞれに一長一短が有ると思います。

工期や引き渡しとの関わり、などスムーズにお引っ越しをと考えれば

ハウスメーカーや工務店さんが良いかもしれませんし、

緑が少ない方が良くて左官工事がメインになるなら外構工事の会社かも。

こだわりのデザインならガーデンデザイナー、

地元の庭師さんなら地域で仕事をしているという安心感。

 

もちろん、それだけではないでしょうし、ハウスメーカー以外は

業種がまたがっていることがほとんどだと思います。

地元で外構デザインも得意なガーデンデザイナー、とか。

 

今回はそこの選択の良し悪しではない、大切にして欲しい部分。

 

それは、安心して完成した後のお庭の管理を任せることが出来る所に

依頼をして欲しいという事です。

 

お庭は工事が完了したら終わりではなく、

お家の人が長く楽しみ育てていくという意味では

そこからがお庭の始まりです。

 

木を植えた時、その木がどんな育ち方をするのか

その土地、その環境に合っているのか、そんな事を考えてプランニングできなければ

いくら素敵なデザインでも、数年後にどうなっているか…。

 

 

 

先日、お庭を作らせていただいたお客さんのお庭の剪定作業をしていたら

お向かいさんがやって来て、

 

「うちも剪定お願いできませんか?」

とのこと。

 

年内は予定がいっぱいでお受けできないんです、と

丁重にお断りしたのですが、そのお宅はお家が完成して4年ほど

ハウスメーカーが外構とお庭も一緒に作った様子。

 

玄関の脇の軒下に大きく成長させてこそ美しいコナラが

軒に当たるのかブツブツと切ってあり

この地域ではなかなか育ちにくいナツツバキ。

4mほどの立派なものが上半分枯れていたり…。

葉を横に広げて美しいハナミズキが駐車場のギリギリに植えられて。

駐車のジャマに…。

 

植栽の知識が無い人がデザインしたとしか考えられない感じなんです。

「責任を持って末永く剪定管理をさせて下さい。」

という意識の有る会社ならば、こうはならないのでは…。

 

その会社は剪定などの管理も請けているのですが、

管理は別部門、デザインした人、施工した会社とは

関係のない外注業者らしいのです。

つまり工事は工事、管理は管理。

管理する業者さんも、ツライよなぁ。

その方がどの様な理由で僕に話しかけていただいたのかは聞きませんでしたし

お引き受けできないのに無責任な指摘もできないので

何も言えませんでしたが、お客さんがかわいそう。

 

もちろんそのハウスメーカーがいつもそうで有る訳でもないし、

そのメーカーも、その他のハウスメーカーも

きちんとデザインされて施工され、管理されている所はたくさん有ると思います。

 

でも、できることならば、

デザインする人が植物の知識が有り、

施工する人がデザイナーと話し合うことができて

さらに施工した人に管理も引き続きしてもらえる。

そんな所が理想だと思います。

 

 

では、植物の知識の無いお客さん側がそれをどう判断するのか?

 

 

とっても難しい…。

 

でも、1つの目安になるかもしれない事。

こんな質問をしてみてください。

 

①施工してくださる業者さんに管理もお願いできますか?

 

②植える予定の木は、どんな形で大きくなり、

将来どれくらいの大きさにしていくのが良いのですか?

 

③この中で大きくなりすぎて困ったとか、

育ちが悪いとお客さんに言われたことのある木は有りますか?

 

答えはきっとイロイロだと思います。

正解も無いと思います。

でもそこからお庭に対する姿勢は見えてくるのではないでしょうか。

 

工事の終わりは、お庭の始まり、、です。

 

青木作庭舎