お客様のリクエストでアンティークレンガの立水栓を作りました。
今回使ったのはベルギー産のアンティークレンガです。
19世紀ごろのブルージュ地方で使われていた物のようです。
ブルージュ地方。
ああ、あそこね。
・・・・・・、いや、どこでしょうか?
すみません。知らない街ですが。
運河が張り巡らされた美しい街だそうです。
さっそくグーグルアースで覗いてみました。
とっても素敵な街ですね。
石畳とレンガの街って感じで、しばしバーチャル街歩き。
世界中が旅できるってきっと素敵なことなんだろうなぁ、
あぁ、一生で一度は行ってみたいなぁ・・・。
って、毎回思うけど、
この前はどこの街をバーチャル街歩きしたのかはもう覚えていない。
こんな町からやってきたんだなぁって思いながら書こうかな。
このベルギー産のアンティークレンガ。
・・・・くせがスゴイ。
アンティークということは、使っていたレンガな訳でして
モルタルがついているものやくっついていたものを剥がすときに
欠けてしまったもの。
そもそも横から見ると反り橋のように曲がっているものや
上から見ると扇形のように曲がっているもの。
色々あるんです。
こんなもの、(といったら失礼ですが)で良くあの美しいレンガの街を作れるなってくらい
あちらに曲がり、こちらにひねり。
最終的な立水栓の高さ、蛇口の位置を考えて、一枚のおおよその厚みから割り付けして
レンガ積みをスタートするのですが、
2段ほど並べると、、、
もう水平じゃない。
こちらを水平にするとあちらが跳ねる。
そんな感じで。
日本の大手メーカーのレンガってほとんどサイズのばらつきが無いんです。
「タンブル仕上げ」なんていうあえて崩してあるようなレンガでさえ
全体としてはくるいが無い。
こちらの技術もすごいな、と思いますが。
うん、これは、
自然石を積み上げる感じで仕事をするべきだな。
僕は、僕の親方をはじめ、諸先輩方からよく
「上手にぬすむんやで」
って教わりました。
「ぬすむ」
もちろん「盗む」のことでしょうが、
水平でないものを水平に見せる。
いびつな形なものどうしを組み合わせてもきれいな四角に見せる。
目地を均一(なよう)に見せる。
こんな作業を「ぬすむ」と言っていたように解釈しています。
今回もうまく「ぬすんで」。
こんなとき、
あえて凸凹をデコボコとして見せる方がいいかな?
わざとモルタルがべったり残っているところを見せるように積もうかな?
っと、思うのですが。
きっとわざとらしさがでてしまって、かえって美しくないような気がして。
不整形なものを整形に見せる仕事をして、
全体としては微妙なバランスで美しく見える。
これが本来の使い方かなぁ、
と思い作ってみました。
どうでしょうか?
っと、書いたところで、もう一度
グーグルアースで街を見てみる。
きれいだなぁ
この昔のレンガを使って美しい街並みを作りあげた職人さんに
思いをはせて、
19世紀にバーチャルトリップ。