COLUMN

2018/05/27

テイカカズラ

テイカカズラの写真

今日はこの季節の花をご紹介

 

テイカカズラと言います。

 

常緑性のツル植物で5-6月くらいにこんな白い可愛い花を咲かせます。

甘い良いかおりがします。

 

この季節に咲く花は共通の雰囲気のする甘い強い香りのものが多い気がします。

ミカンの仲間、ジャスミン、スイカズラ。

テイカカズラもこれらと同じジャンルの香りですね。

とにかく甘くて濃厚な香り。

昼間というよりは夜が似合う感じです、完全な勝手なイメージ、主観ですが。

 

きっとこの香りを好む虫がこの季節に大活躍するのか、

はたまた他の花々に負けないように特徴的な香りでアピールしているのか。

夜行性の虫に来て欲しいから暗くても匂いでわかるようになのか・・・。

 

同じ季節に似た香りの花が咲くってのも不思議なはなしですね。

 

常緑のツル植物なので造園的にも使いどころがあるんです。

狭いところでフェンスに絡ませて目隠しとか、

サツキのように丸く刈り込んでこんもり仕立ててあるところも有ります。

剪定にも強く、活着してしまえばほっといても良いような植物なので気軽に使えますね。

 

ただ、刈込がしにくい。

ハサミで切ると、切り口から白い乳液のようなものが出てきて粘りがあるし

ハサミがうまく噛みにくい質感なんです。

仕事をしていると「んあぁーっっ!!もう!」ってなる感じ。

 

ハサミの手入れが悪いだけ??

 

でもでも、何といっても花が可愛らしい。

花びらの一枚一枚がちょっと筒状になっていて風車のよう。

なんとも魅力的なんです。

陶芸家の富本健吉さんが好んでモチーフにした花でもあるんですね。

tomimototeikakazura

 

僕のお弁当包み。花弁が四枚に意匠化されていますが、富本健吉さんのデザインです。

やっぱり人を引き付ける姿なんですね。

 

ちょっとこのコラムを書く前にウィキペディアで調べてみました。

式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女のにからみついたという伝説定家』)に基づく。

だそうです。へー、へー。

特に何も思わずに名前を覚えていましたが、藤原定家からきているんですね。

(っといっても実は藤原定家のこともよく知らないのですが)

 

庭先に良くある植物では無いですが、街を歩いてみると時々みかけるので

甘い香りと、花姿。楽しんでください。

青木作庭舎