COLUMN

2018/06/23

オカトラノオ

オカトラノオの写真

今日はこの季節に咲く花のおはなしです。

 

 

オカトラノオ3

 

オカトラノオといいます。

 

 

日本全国の明るい林縁や草地に生えるといいますが

ここ愛知県ではあまり見かけたことが有りません。

 

名古屋市の天白区にある牧野が池公園というところの

池の端に群生していたのを見かけたのぐらいでしょうか?

たぶん植栽ではなく自然に生えているんだとは思います

 

 

日当たりの良いところを好むといいますが

愛知県のお庭の中ですと、日当たりよりも、水分の多い土地を好んでいるような印象です。

 

 

写真のオカトラノオは我が家の門前の階段の脇のものです。

我が家は森の中にあるのでとっても日当たりが悪く、さすがにあまり育ちも良くなく

毎年5,6株くらいしか花が咲きません。

 

おまけに今年は階段周りをリフォームして、その時ずいぶんと痛めてしまったのか

今年咲いたのはこの一株だけでした。

 

 

 

増えるといいなぁ

 

 

 

このオカトラノオ、

山野草の雰囲気の植栽を依頼いただいた時は、条件が合えば

必ずと言っていいほど植栽します。

 

その名の通りトラの尾っぽのように伸びた白い花は

下に垂れるように咲きながらも先はツンっと上を向こうとする姿

絶妙によいフォルム。

 

派手さはないんですが、可憐で上品な白

 

好きなんです。ただただ、好みです。

 

 

 

 

実はこの花が好きなのには訳がありまして

 

 

 

僕は学生時代、森林植物が好きで

卒業論文はスキー場の植生をテーマにしました。

 

その中で月1回、開花調査

どんな花がどの場所に咲いているのかというのを調べていました。

 

スキー場の植生というのは少し特殊でして

森の中に作られた人工的に刈り払われた草地であり

林縁(林道沿いや森の終わりの縁といったのような明るい場所)のような条件で

面的な広がりがあり、

田んぼの畔のように、人の干渉が強い場所でもない

人工的に緑化の種を撒いている訳でもない。

 

 

 

・・・・・・こむずかしいですね。

 

 

 

とにかくいろんな草地性の草花が生える条件にあるんですね

(スキー場の夏場の管理状況にもよりますが)

 

 

 

この開花調査の時に出会ったのが「オカトラノオ」なんです

 

 

オカトラノオは地下茎で増えるため群生するんですが

スキー場の中でもちょっと起伏があり水気のある場所にふと現れ

群生して風に穂をゆらして咲く姿

 

自然の生み出した花の美しさ、

決して園芸品種にはない素朴さと可憐さ、力強さ

 

 

 

 

伝わってますか??

 

 

 

 

うつくしい、きれい、かれん・・・、だけじゃない

 

 

自然の中で見つけた花には

なんとも言葉では表しきれない喜びがあります

 

 

作為の無い美しさというか

見つけた時の自分だけのひそかな楽しみと同時に

誰かに伝えたい気持ちになったり。

 

自生している花をみた時のよろこび、

いつまで経ってもあの時の気持ちが自分の中に残っていて

それを庭先で見ても(自分で植えたにも関わらず)

多分、嬉しさ2割増し。いや、5割増し?

 

ひいき目でみているのかも・・・・。

 

 

 

オカトラノオ、ヌマトラノオ、ツルリンドウ、ウツボグサ

ヨツバヒヨドリ、アキノキリンソウにセンブリ・・・・・。

 

あの時見た花々は今でも無条件に好き。

 

 

色々な草花の美しさを教えてもらい

この姿を庭でも表現したいと思いました。

 

 

 

・・・・・っが、20年近くこの仕事をしていて

それが色々な意味でとても難しいことだということは分かりました。

 

 

ですが、その中でもオカトラノオは

お庭に植えられる種類のものでありますし

 

 

オカトラノオの花を見るたびにあの時感じた、みずみずしい感覚を思い出させてくれる

 

 

 

僕にとってはそんな花で、

 

 

そんな季節です

 

オカトラノオ