COLUMN

2018/05/30

松にせんきゅう

松にせんきゅうの写真

みなさんは「まつにせんきゅう」という言葉を聞いたことありますか?

 

日頃お世話になっている松に、庭師さんが感謝の意味を込めて・・・。

 

なあんて話しじゃあないことは分かってますよね。

 

 

「松(まつ)に川芎(せんきゅう)」と書きます。

 

お手入れをしているお客さんの松の中にどうも調子の悪い松があります。

夏の終わりから秋口になると葉の色つやが悪くなり

「やばい、松くい虫かも??」って思います。

 

マツクイムシってのは俗称でカミキリムシが媒体になって松を枯らしてしまう

マツノザイセンチュウという小さい虫の被害のことなのですが、

被害の症状が出た頃にはほぼ手遅れで1週間くらいで一気に枯れてしまいます。

自然界の松では「松枯れ」なんていわれる松にとってはとっても厄介なものです。

 

しかし、その松はマツクイの予防の薬をやっていることもあり、枯れることはありません。

 

かといって、もう何年もそんな状態で。

 

元気が無いってことは病気や虫の被害も受けやすいという事ですし、心配。

 

なにか元気にするよい方法は無いものかと思っていたら

同業の仕事仲間からでたことば

 

 

「『マツにセンキュウ』って知ってる?」

 

 

 

初耳でした。呪文?

 

聞けば京都で修業していた時ある大きなお庭で毎年必ずやっていたそうです。

 

 

 

 

「せんきゅう」の正体は漢方薬「川芎」でした。

 

その名の通りせり科の「せんきゅう」という植物の根っこの部分だそうで、

いろいろと調べてみたところ中国や日本の東北、北海道で栽培されているそうで

人間の体には主に冷え性や貧血、補血、婦人系の症状などに効果があるそうです。

つまり血液、循環器系ってことですかね。

 

っで、松にはというと土中に散布すると根っこに効き

肥料の吸収を促進する効果があるそうです。

 

おうっ、つまり循環器系ってことだな。

 

 

不思議。人間も松も一緒ってこと?

調べると、確かに昔から松に対する効果が実証されているらしいです。

 

 

 

使用方法は、煎じて煮出した液を薄めて使うのだそうで、

さっそく購入してやってみました。

 

せんきゅう2

 

 

産地や状態で数種類ありましたがとりあえず何となく「国産丸切り」を選び。

1ℓに50g入れそれを半分にまで煮詰める。

 

 

封を開ける。

 

川芎

 

 

おうっ、漢方ですなー、って香り。

 

こういう匂い大好きです。

 

うん、効くなって感じ。

 

 

台所でことこと煮詰める。

川芎を煎じる

 

 

 

 

 

・・・・・・・、

 

 

 

 

 

部屋中が漢方になる。

 

 

むかし北陸に旅行に行ったときにたまたま泊まったホテルだか旅館が

薬草風呂で有名なところだったのですが、

なんだかその時の記憶がフラッシュバック。

 

 

 

でっ、

 

・・・・・・室内での作業禁止令が出る。

 

 

 

ということで普段、釣りの時にカップラーメンなどを食べる時に使う

屋外用のカセットボンベで作業再開。

 

 

川芎を煎じた

 

そして完成。

乾燥していた時よりだいぶ膨らみましたよね

 

 

さっそく土壌灌注してみました。

肥料の吸収を助けるってことで、肥料や微量元素のミネラルを補うもの等を一緒に。

月に一回、現在2回やってみました。

 

 

これで効果があると良いのですが。

 

肝心の効果があるのかは今後追ってご報告をします。

 

お願い!薬草風呂!

青木作庭舎