COLUMN

2018/06/02

エゴノキのバナナ

エゴノキのバナナの写真

ここ愛知県のお庭では「エゴノキ」はわりと普通に植えられる木です。

 

株立ち、単木、どちらもあり、強くて比較的場所を選ばず育ってくれるし

5月くらいに咲く白い花もとっても可愛らしくてきれい。

 

庭師さんにとっても使い勝手の良い木の方なのではないでしょうか?

エゴノキ

こちらは愛知県の稲武町で撮った写真です。

自生でも本当によく見かけます。

 

Egonoki

 

 

 

このエゴノキのある庭のお客さんからある日一本の電話。

 

「なんだか花はもう終わったんですけど花みたいのがいっぱい!!!」

 

「とりあえずお伺いしますね」

 

 

行ってみると。

 

エゴノネコアシアブラムシ

 

こんなものが3-4mの木に20個ほどついています!!

 

明らかに花じゃないです。小さい小さいバナナみたい。

 

そう虫こぶです。

 

 

虫こぶとはハチの仲間などの幼虫が、葉っぱや新芽などに寄生してできるものです。

 

異物を感じた植物がびっくりして形を変化させる

その中でまんまと育っていく

 

そんなイメージでしょうか?

 

 

 

このエゴノキにつく虫こぶの正体は

「エゴノネコアシアブラムシ」

 

 

 

 

なまえ、長っ。

 

 

ハチ類ではなくてアブラムシの仲間なんですね

 

エゴノキにつく虫こぶの中では割とポピュラーな方です。

 

虫こぶという少し変わったジャンルの中では

一体なにをもってポピュラーというのかは分かりませんが

ぱっと目を惹く特徴的な形から目につきやすいですよね

多分ナガイナマエもこの特徴的な形から由来しているのかな?

 

それに大きい。

虫こぶは葉っぱの一部がぷくっと膨れることが多いのですが

葉っぱより大きいくらいですよね。

 

エゴノキ

 

っで、お客様の要望で、全て切除。

 

中を割ってみてみる

 

エゴノネコアシアブラムシ2

 

アブラムシがたくさん出てきました。

 

調べてみると、最初は虫こぶの中に1匹らしいのですが

アブラムシって自分で自分の小さい分身みたいのを産めるんです

正確に言うと分身とはちょっと違って、単為生殖と呼ぶらしいのですが、

ちょっと難しいのでそこは割愛。

 

 

そんな感じで虫こぶの中でアブラムシはどんどん増える。

 

 

お客さんは小さい虫がいっぱいいる状態が大の苦手らしく

大騒動だったらしいのですが、

比較的強い木なので少々なら虫こぶに寄生されようがあまり樹勢には影響ないので

「自然のいとなみの不思議を楽しむ時間」

くらいに気楽に考えて、多いようなら目に付くところを切除するくらいで

大丈夫のような気がするのです。

 

 

 

でもやっぱりちょっと気持ち悪いのかな?

ですよね、

 

 

 

この仕事をしているとやっぱり色々な虫こぶに出会い(?)ます。

 

 

慣れてくるのですかね。

虫こぶを見ると、

「おっ!いるね!」

と思い、こぶをちょっと切ってみてハチやアブラムシの幼虫がいると

 

「おっ!!やっぱりいるねー」

 

と嬉しくなってしまうんですね。

 

 

まあ、言ってみたら僕ら庭師も植物に寄生して生きる虫こぶのようなもの

仲間意識というか

 

 

 

・・・・というのも飛躍しすぎた言い方かな?

 

ですよね

 

 

でも目の前にあるものをなんでも楽しんで見るというのも悪くないかなと思います。